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第549話
洗面台の鏡に指紋が沢山付いていく。
後ろからの激しい抽挿に耐える為、鏡に手を付いているからだ。
「はげ、し……っ……ぁッ」
「鏡、見ろって」
「あ、ア…あっ……」
顎を捕まれ強制的に顔を前に向けられた。
鏡に写るいやらしい顔をした自分と、その奥で雄の顔をした長岡が良く見える。
「俺の恋人はこんないやらしい顔で喘ぐんだよ。
可愛いだろ」
「まさ…さ……」
長岡の顔が見えないからバックの体位をあまり好まない三条を気にして背後位で交わる時はほど鏡の前だ。
確かに長岡の顔は見えるが、自分の変な顔まで見えるのは恥ずかしい。
それに今日は洗面台の前で立ちバック。
腰を前に逃がす事は出来ない。
背後は長岡に塞がれ、腰を突き出す事が精々。
長岡に翻弄されっぱなしだ。
「自慢の恋人なんだよ」
「ひッ、」
長岡の腰の動きが、ねちっこくなる。
三条の腰を固定し自分の腰だけをゆっくり揺する様に動かされもどかしい。
「あ……あ……」
「ほら、可愛い」
「ま…っ、」
グンッと、また奥を突かれ頭が揺れた。
「待て?
んな、きもちーとこに入ってて待てが出来るかよ」
鏡に写る色っぽい恋人が腰をとめると、代わりに三条の腰が揺れる。
もどかしくて揺れてしまう。
「ほら、遥登だって腰揺れてんじゃねぇか。
こんなんで待て、出来んのか?」
「ぅ…」
「なぁ、遥登」
観念し首を緩く振ると鏡に写る恋人の笑みが深くなった。
喰われる…
喰われたい…
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