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第550話

「遥登、鏡越しに俺を見てろ。 目ぇ逸らすな」 サディスティックな目にアナルがキツく締まる。 この主人の言葉は絶対。 言葉を頭に巡らせる前に口が自然と動いた。 「は…い……」 にぃ…と釣り上がる唇の両端はいやしさがあるのに、それを含めて格好良い。 狡い。 こんなに欲をぶつける行為なのに、そんな良い顔で、好きな声で言われたら否定なんて出来ない。 スイッチの入ってきた三条は目をとろんとさせながら恋人からの過ぎる愛を甘受する。 「まさ…っ、ま…さ……さ」 「はる、と」 顎を掴んでいた手はいつしか口の中へ入り込み、舌を弄っている。 ポタ…と洗面台に落ちる唾液も気にする事もなく喘ぐ三条は、長岡に淫らな顔を晒す事しか出来ない。 みっともない筈なのに長岡は嫌うどころか、嬉しそうにうなじに噛み付いてくる。 痛い筈なのに気持ちが良い。 痛いから気持ち良い。 「あ……ぁ゛…ァ゛…っ」 アナルがうねり大きな陰茎に媚びを売る。 精液が欲しい。 雄のにおいを擦り付けて欲しい。 体内からマーキングして欲しい。 目の前でとろけた顔をした男が指を舐めている。 「指、美味いか?」 「ん、」 「ちんこは?」 「おい、ひ…」 理性なんか溶けてなくなったみたいだ。

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