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第564話

小さく丸くなって眠る三条を守る様に抱き締め眠る長岡。 本が山をなすこの部屋には、収まりきらない程の愛情が詰まっている。 寝室以外にも、浴室や、炊事場、ソファの上にも。 色んな所に転がる大切な特別。 暖を求めて三条の頭に顔を埋めるとナニかが優しく包み込んでくれた。 なんだか知らないがとてもあたたかくてやわらかくて良いにおいがする。 まるで遥登みたいだ。 それを人達がなんと呼ぶのか沢山の本を読んできた長岡には検討が着く筈なのに、“恋人”だと思う。 遥登だ、と。 細い身体がもぞっと動き抱き付いてきた。 長岡のにおいの染み込んだ寝具にくるまり、その人を抱き締め嬉しそうに頬を緩めている。 寝ている時もこんな顔をするくらい大切で大好きな人とくっ付いていられるしあわせの中にいる三条。 朝からデートをして一緒に飯を食べて、セックスをして恋人らしい事を満喫した1日はまだ終わらない。

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