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第568話
「俺もしま…」
ハンドソープに手を伸ばしたまま三条の動きが止まった。
「ぁ……」
「遥登?」
重力に従って下着を濡らすソレ。
下着をじわりと濡らすのは目の前の恋人の精液だろう。
「どうした。
どっか痛いか?」
動きを止め俯く三条を覗き込んでくる優しい恋人。
微かに頭を振るのが精一杯だ。
意識して締めてないと、ボトムスまで汚してしまいそうでこわい。
「遥登、どうした?」
「………奥から、…………垂れてきて……」
「くっそ奥に出したやつか。
悪い、もっかい後処理しねぇと」
「……トイレ、お借りします」
結腸の方に入っていたのが、立った事で重力に従い下りてきた。
それだけ体内で射精されたと言う事だ。
それも時間が経ち粘度のなくなったそれは締めても出てくるようでなんとも言えない。
とは言え、すぐに動ける訳もない。
どうしようかと頭をフル回転させていると身体が浮いた。
こわ…っ、い
高い…っ
長岡に横抱きされ頭の位置が変わる。
たった数センチの差だが、高くてこわい。
足が着いていないのもこわい。
恥ずかしいのとこわいので三条は長岡の頭にきつくしがみ付きされるがまま。
浴室に下ろされ漸くこわさは落ち着くが今度は濡れた下着の恥ずかしさが勝ってくる。
顔を真っ赤にした三条はお漏らしをしてしまったかの様な違和感に堪えていて、散々出した長岡の下半身も熱を孕む。
それをグッと堪えるのはどちらもだ。
「1人の方が良いか?」
「……え、と」
「なんかあったら遠慮なく呼べよ。
あ、パンツ持ってくるから今穿いてんのは洗濯機入れとけ」
「はい。
お手数おかけします…」
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