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第571話
あと少し、もう少しを繰り返し、三条を貪っているといつの間にかとろとろのふにゃふにゃになっていた。
とろんとした目で見詰めてくる可愛い恋人に、やり過ぎたと思うのは遅すぎて。
「今日は帰す…」
だが、こんな姿のまま帰す訳にも行かず少しインターバルを挟まなくては怪しまれてしまう。
こんなやらしい姿をご両親に返すなんて絶対に出来ない。
が、それこそこのまま部屋にいたらまた手を出しそうなので一旦出る事にする。
ただでさえ昼間の行為で疲れている三条に手を出すなんて獣と言われそうだ。
残りわずかな理性をぐっと保ち肩を抱いた。
きつく抱き締め清潔なにおいを胸一杯に取り入れる。
興奮もするが落ち着くにおいだ。
数度深く呼吸をした。
「正宗さん…?」
「んな顔したまま返せねぇから少しブラ付くぞ。
頭はっきりしてきたら教えてくれ」
頷く頭を撫で外出の準備へ漸く向かう。
自分のコートに自動車の鍵を突っ込みながらクローゼットを覗く。
この淡い期待がどうなる事が分からないが、淡く期待する位なら可愛いものだろう。
三条のアウターにマフラー、リュックを寝室から持ってくると、持ち主は律儀にも飲み終わったマグを洗っていた。
ふわふわした空気を纏いながら炊事場にいるのを見ると昼間の事が頭を占めてくる。
「遥登、帰ってきてから俺がするから気にすんなって。
ほら、まだ夜は冷えるからちゃんと着とけ」
「はい。
でも、あとこれだけ…」
「俺が我慢出来る内に出るぞ」
「あ、はい」
なんて大人みたいな事を言ったが、玄関でどうしても駄目ですか…?と強請られ噛み付く様なキスをした。
理性なんて遥登の前じゃ風前之灯だ。
「ん…、正宗さんとのキス、好きです……」
あ゙ー…
頑張れ、俺の理性
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