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第576話
クローゼットを開けて、閉じた。
どこに隠せば良いのかわかんねぇ…
正宗さんもクローゼットに置いてるし、やっぱりクローゼットが良いのか…?
母親はこの部屋を勝手に掃除したりしない。
洗濯物も畳んではくれるが、自分で部屋に片付ける。
日頃から自分の事は自分でさせてくれていて良かったと今以上に思う事はないだろう。
学習能力の高い三条は好奇心も旺盛。
手に持った紙袋をそっと覗く。
コロンとした可愛らしい形のローター。
何度も使われた玩具。
ごくっと喉が鳴った。
頭が、気持ち良いと覚えてしまっている。
あれだけ出したにも関わらず若い身体は正直な反応を示しはじめた。
見ただけで勃つなよ…
散々シただろ…
だけど、長岡の事になると全然足りない。
満足なんてしない。
『遥登』
鼓膜に残る甘い声。
低くて落ち着くのに、吐息が多くなると急にいやらしく思えて興奮するのもまた事実。
少し、だけ……なら…
優等生と称される三条も性欲盛んな男子大学生。
ベッドに乗り上げ玩具を取り出そうとした瞬間。
ピコン
『疲れてるだろうから今日はゆっくり寝ろ。
ローターは明日使え』
バレているかの様なメッセージにドキッとした。
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