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第578話

結局リュックの中にローターを隠しふとんにはいった。 出掛ける時さえ気を付ければ案外バレないと思う。 出掛ける時は何処に隠そうか悩むところだが、図書館か長岡と会う位しか予定もないし暫くは大丈夫だろう。 ごろんと寝返りを打つと、そのリュックをじっと眺めた。 正宗さんは寝たかな ぼーっと考えるのは恋人の事。 マーキング塗れの身体は、日中のセックスで疲れているのになんとなく寝てしまうのが勿体ない気がする。 それに、この疲労感は長岡との行為のせいだと思うと嬉しい。 自宅の風呂で赤ちゃんも使えるボディソープでにおいも書き替えられた筈なのに、いまだに包まれている様だ。 身体中を彩るマーキングのお陰だろうか。 それとも、この疲労感か。 どちらにせよ長岡が要因のは確かだ。 肩口に触れるとピリッと傷んだのが愛おしい。 そうだ、ホワイトデーのお返しなんにしよう 喜んでくれるのが良いな 大好きな笑顔が見られるのだからどっちがプレゼントを貰っているのか分からないが、でも喜んだ顔が見たい。 あの優しい笑顔が見たい。 身体の中の1番やわらかいところがあたたかくなるのが分かった。 このまま眠ったら良い夢がみられそうだ。 丸くなって肩までしっかりとふとんに潜り込むと目を閉じる。 夢の中でも会えたら良いなと思いながら。

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