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第616話
中々寝付けなくて寝返りを打った。
寝心地の良い場所は見付からない。
なんだかここのところ安眠が出来ていない気がする。
眠りが浅いというか、寝付きが悪いというか。
どうもすっきりしない。
もう1度ごろんと転がると、三条が外泊日に枕代わりとして使ってるクッション ンが視界に入った。
当たり前にあるそれ。
顔を埋めると恋人のにおいがした。
清潔であたたかいにおい。
そのままゆっくりと目を閉じると三条の体温を思い出す。
子供のようにあたたかくて、骨に皮が貼り付いた様にガリガリで、 いつも隣で笑っていてくれる愛おしい恋人。
最後に一緒に寝たのは3週間前。
3週間も前の事だ。
三条のお気に入りの毛布を首元まで引き上げ、隙間から冷たい空気が入ってこない様にしっかりとくるまる。
早く会いてぇな
彼方此方に散らばる三条の気配。
それらが漸く睡魔を運んできてくれた。
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