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第646話
『洗ったか?』
「洗っては、あります」
『ん。
じゃあ、見てるから遥登の好きな様にしてみ』
「俺の、好きな様に……」
『そ。
あ、でも、まずはオナってみ』
全裸になるのは抵抗があるので下をずらし下着から陰茎を取り出す。
ちらっとカメラを見るとすぐに逸らしてしまったが、長岡はガン見だった。
見てくれている。
それだけで身体の熱が上がっていくのが分かる。
まだやわらかいそれをゆっくりと陰茎を上下に扱いていく。
「…ハァ……ハ…、」
すごい。
長岡が見てくれているだけで、すごく気持ち良い。
1人で処理している時と全然違う。
『気持ちかったら頷いて』
何度も頭を振る。
気持ち良い。
気持ち良い。
すっかり芯を持った陰茎を扱く手が止まらない。
『勃った?』
これにも頷いた。
長岡の存在だけで、こんなに早く勃起するなんてはしたいと思われるだろうか。
でも、それでも良い。
今はこの快楽を味わいたい。
「つ、…、かっても、良いですか」
『弱いレベルからな。
いきなりは声が出んだろ。
あぁ、遥登は使った事あるから分かるよな』
小さな羽音だが、静かな家の中で響いてしまいそうで不安になる。
それを悟った長岡はカメラの向こうで少し考えた。
『布団被るか?』
頭がうまく回らない。
だが、布団を被ったら見て貰えないのでとそれだけが頭に浮かんだ。
ぽやっとする頭をなんとか動かして考え付いたのはなんとも幼稚な事。
でも、今はそれ以外の考えなんて浮かばなかった。
時間も天辺を過ぎているので弟が部屋から出る事はほぼない。
ドアの隣のクローゼットの扉を開けその陰に隠れた。
これならベッドにカメラを置けばすべてを見て貰えるし、身体は隠れているので若干の安心感が生まれる。
続きを強請る目が真っ直ぐに長岡を見詰めた。
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