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第653話

新しいゴムの中にローターを入れるとアナルに宛がう。 まさか贈ってくれた友人もこんな使い方をされるとは思ってもいなかっただろう。 罪悪感は、会えるようになったら昼食を奢る事で拭うしかない。 沢山食べてくれ。 カメラを一瞥するとにっこりと微笑みながら頷かれた。 こんな時ばかり、自分の顔立ちの良さを理解したかの様に生かすのは狡い。 でも、格好良いからもっと見たくもある。 震える手でぐっと押すと、アナルが口を拓く。 声が漏れそうになるのを必死に堪えて息を吐いた。 くち、といやらしい音が静かな部屋に響き羞恥心が沸き上がるが今更やめたり出来やしない。 コートを握り締めアナルから力を抜いた。 「は、い…た」 ジェルの滑りを借りツルッと飲み込まれたソレにまた息を吐く。 久し振りの異物感。 小さくても体内にあるのが分かる。 『少しずつ上げてけ。 バレたらやべぇだろ』 小さく頷くと、ゆっくりとレベルを上げていく。 ゆっくり、ゆっくり。 電源が入りヴッと腹の中が震えた。 「…ぅっ、」 手を噛んで声を堪える。 やば……声… 久し振りの快感に身体が喜んでいる。 『遥登、コート噛め。 指はバレるぞ』 確かに指に歯型があれば怪しまれる。 明日は優登がお菓子を作ってくれると言っていた。 綾登と遊ぶ約束もした。 弟達に見られたら、不健全だ。 だが、コートを噛むなんてそんなの駄目だ。 頭を振り駄目だと伝えると構わねぇのにと聴こえてきたが、こればかりは譲れない。 『じゃあ、タオルかなんかあるか』 「た……お、る」 ローターはそのままに、クローゼットの中の引き出しからタオルを取り出すと口元に宛がう。 多少呼吸は苦しくなったが声が漏れる心配は減った。

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