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第678話
「村上、それ1本でやめとけよ」
『家なんだから良いだろ。
なぁ、関川』
『正宗くんの言う通りだよ。
飲んだら暫く風呂入んないでね』
『関川が長岡みたいな事言うじゃねぇか』
「うるせぇよ」
3月から忙しくて中々予定が合わず─予定と言うより気力の方が大きいが─4月半ばになり、漸く3人で酒が飲めた。
といってもアプリを使って顔を見ながら自宅で各々酒を飲んでいた。
教師から生徒達への感染を極力防ぎたい。
楽しい高校生活を送って欲しい。
その邪魔はしたくない。
だけど、やっぱり昔から知ってる顔が見えると安心する。
元気そうだと視覚で解るのは良い。
『長岡、なに飲んでんだ?』
缶ビールではなくマグカップを傾ける長岡に村上は疑問を投げた。
「牛乳」
『は?
まだ身長伸ばす気かよ。
遠慮しろ』
「違げぇよ。
ついデカイの買っちまったんだよ」
いつもならすぐなくなるのに中々減らないそれ。
つい、癖で大きなパックを買ってしまったが賞味期限ギリギリだ。
いつもは遥登も飲むからなくなるだけで、俺1人なら小さい方だってやばい時あんの忘れてた
つまり、急いで飲んでいる。
『おっきい方が安いしね』
『でも、飲みきれねえの勿体ねぇし小さいの買うかな。
つうか、200のやつ』
「…だから飲んでんだろ」
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