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第679話
『また休校だろ。
授業出来ねぇで受験生危機感感じてんだろうな』
「対策プリント作ってるけど、だからって大丈夫とは言えねぇよな。
頑張りが踏みにじられんの腹立つ」
『真顔でこえぇ事言うなよ。
牛乳でキまってんのか」
『でも、そうだよね。
いつまでこんな状態が続くか分からないけど、AOはどうなるの。
推薦はって考えると不安だろうね』
頑張る人の足を引っ張る奴は腹が立つ。
自己責任ならまだしも、そうでないなら仕方がないなんて諦めの言葉で簡単に済ませるのも好きではない。
正義感とはまた違う。
単に真面目に頑張ってる奴が真面目に報われない世界なんて糞だと思っているだけだ。
必死で掴んだ物を簡単に羨ましがり妬み攻撃をするなんて愚かだ。
三条はそれで沢山傷付いたりした筈だ。
それなのに、いつも笑っている。
頑張ってる奴の笑顔は綺麗だ。
三条だけでなくとも、それを守りたいと思うのは当たり前だろ。
妬むだけなら誰でも出来る。
そうではなく、そこに追い付こうと良い刺激になって欲しい。
大変だろうがきっと得るものがある筈だ。
『今は、俺らに出来る事するしかねぇよな』
村上の声はスーッと身体に染みていった。
出来る事をするしかない。
それが今出来る最善だ。
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