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第684話
弟と一緒に揺れていると階段を降りてくる音が聞こえてきた。
足音で分かるのは、今日も元気そうだと言うこと。
家族が元気なのは嬉しい事だ。
「優登、おはよう」
「兄ちゃん、おはよう。
お、今日も甘えてるな」
長男の脚の上で甘えに甘える三男の頬をつついた。
やわらかな頬に指が埋まる。
「誕生日おめでとう」
「あーぶ!」
「朝からご機嫌だな。
そんなに兄ちゃんが好きか。
でも、兄ちゃんは俺の兄ちゃんでもあるんだからな。
例え今日でも一人占めは出来ねぇぞ」
朝からの強火発言に三条は眉を下げて笑う。
こんな小さな弟に対抗せずとも、 優登の兄にも決まっているだろ。
どっちも可愛いくて大切な弟だ。
細い指を寝起きの髪に差し入れ、わしゃわしゃと撫でくりまわした。
「なに…?」
「いや、可愛いなって思って。
朝ご飯済ませたらゲームしような」
「やる!!
やった!」
ご機嫌な背中を指差す小さな手。
それを食べる真似をすると更に喜んだ。
今日はとびきりの日にしような。
沢山笑って、お腹いっぱいご飯食べて昼寝もして。
楽しいだけの日だ。
「うあー」
「うん。
優登がご飯食べ終わったら遊ぼうな。
あ、ゲームの時は応援してな」
「ぶー」
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