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第685話

朝食を食べ終えた次男と三男の前に座り、目を合わせる。 「綾登。 これな、優登と俺からの誕生日プレゼント。 どうぞ」 くりくりした目がプレゼントを見詰め、兄達を見上げた。 笑顔を返す兄に綾登はうにゃうにゃと何かを喋る。 その1つひとつに兄は頷く。 例え、まだ意思の疎通が上手く出来ずとも何かを伝えようとしているのだから聞かなくては失礼だ。 それに、喃語を話す弟は可愛いからな。 「今日はすごい日なんだよ。 綾登が生まれた日」 「綾登が綾登になった日って考えると不思議だよな」 きょとんとした顔で指を口にした綾登に母親は優しく声をかける。 「綾登、遥登と優登が誕生日プレゼントくれたよ。 ありがとうって言えるかな」 「あーぅ」 口にしていた手をそれに伸ばして受け取った。 落ちたけど。 壊れ物ではないのでそれは安心だが、いまにも振り回しそうなのでやっぱり手だけ添える。 その横から伸びてきた手が綺麗な色のリボンを指した。 「ここをな引っ張ると中が見られるんだぞ」 優登がそう言いながら小さな手を誘導した。 予めほどけやすい様に結び直したので簡単にほどける筈。 次男が、プレゼントはリボンをほどく瞬間が1番わくわくするだろ、だからほどかせてやりたいと言った時はその成長に感慨深くなった。 とても優しい弟だ。 自慢の弟だ。 確かに、包装を開ける瞬間は高揚感やわくわく感の最高点。 それを奪うのは勿体ない。 それと、そのわくわくを知って欲しい。 ここ、と教えると小さな手が漸くリボンを握る。 丸めると余計にクリームパンみたいで美味しそうだ。 「こう、な」 「うぶ」 しゅるりとほどけたリボン。 中から出てきたのはー…

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