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第697話
リビングにあったベビーベッドを寝室に運びに行き掃除を済ませた両親がリビングにやって来た。
今までは和室で川の字になって寝ていたが末っ子も大きくなり今日から夫婦の寝室に戻るらしい。
2人のベッドの隣にベビーベッドをくっ付け川の字は変わらないが、それでも確かな成長が目に見える。
「はー、やっと終わった」
「ありがとう。
お陰で楽しちゃった」
「いつも綾登の事お願いしてばっかりだからね。
これ位は俺がしないと」
またイチャつく両親を横目に兄2人はゲームをしていた。
末っ子は、テントの中でお昼寝中。
束の間の休息にリビングの中はとても穏やかで、末っ子の寝息を聞いていると眠ってしまいそうだ。
「兄ちゃん、次、ここ」
「ん、分かった」
次の対戦は優登が決め、
いつもなら長岡の元へ外泊していた休日だ。
弟や両親と過ごすのはとても久し振りに感じる。
家族も大切だが、長岡も同じだけ大切。
会いたい、触れたい、一目だけでも…と我が儘を言い出しそうな口をつぐみ、時間が過ぎていくのをただ待つ事しか出来ない。
それを隠すのに丁度良い顔はとても便利だが、家族にも長岡にもそれが通用しないを知っている。
口角が上がっているからバレないと思うのだが。
特に次男と長岡は目敏い。
でも、2人は特別似てるって訳でもねぇんだよな
なんでだろ
じっと見詰めていると弟と目が合った。
「なに見てんの…?」
「ん?
なんでもないよ」
「ふぅん?」
長岡も優登も優しくてどちらも大好きだ。
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