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第723話

『うわ、服に付いた毛やべぇ』 長岡はシャツを脱ぐとコロコロで毛を払う。 下に1枚のシート状に切り開いたビニール袋を敷いているので、多少毛が落ちても気にしない。 逆を言えばそこ以外に切った毛を落とせば掃除が面倒だ。 窓際にいるお陰で明るく、惜し気もなく身体を見る事が出来る。 久し振りに見る長岡の身体。 それも裸体だ。 上半身のみだとしても正直ムラッとくるものがある。 「えっちぃです…」 「なに考えてんだ」 一笑しつつも首や鎖骨辺りを払う自然な流れにドキドキする。 くっきり浮き出た鎖骨から伸びる胸鎖乳突筋がやけに色っぽい。 えっちなのは本当。 ムラッとするのも本当。 俺、欲求不満……なのか…? でも、正宗さんが足りないのは本当だしな… いや、こんな格好良い人の裸見て平気でいられる筈がないよな そうだよな 『遥登、すげぇえろい顔してんぞ』 「し、てませんよ…」 『ふぅん?』 していたら困る。 部屋の扉を開ければ、家族がいる情況だ。 変な姿は見せられない。 『なぁ、腹も見るか?』 「腹…」 長岡の割れた腹筋。 男らしい鼠径部に腹筋の下には自分にはない陰毛があって、それから…。 想像しただけで口の中が甘くなる。 ごくっと生唾を飲み込む音が自分でも分かった。 『やっぱやらしい事考えてんだろ』 「だから、違いますって…っ」

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