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第726話

『飯何食ったんだ?』 「今日は鯖の味噌煮でした」 『うまそ。 風呂は?』 「済んでます…」 『着替えてるしそうだよな。 ちゃんと肩まで浸かってあったまったか?』 「はい」 『ん。 良い子だな』 いざするとなると猛烈に恥ずかしい。 長岡はそれを知っていて、ありふれた話をふってくれている。 入浴を済ませ部屋着に着替えた─ボトムスがジャージに替わった位で日中とほぼ変わらない服装だが─三条はそわそわと落ち着かない。 自己処理をするにしても確かに気持ち良い方が良い。 恋人が手伝ってくれるなら気持ち良くなれるのも経験上知っている。 だが、自宅で腹の掃除をしてあまつさえオナニー…というかテレホンセックスをしようとしているんだ。 やっぱりとんでもない事をしようとしている気がする。 いや、恋人の部屋で腹の掃除をするのもあれだけど…。 口を開こうとして画面を見ると長岡と目が合った。 『緊張してんのか?』 「……はい」 『家族いるしな。 やめるか?』 足の指をぐっと丸め首否する。 自宅だというのは気が引けるが、したい。 長岡とセックスがしたい。 それには嘘はない。 『とまんねぇぞ』 頷き、じっと長岡を見詰める。 三条だって今更とまらない。 家族が寝るのを待ち腹の掃除をして、とまれる筈がない。 火が点いているのは同じだ。 『声だけ気を付けろよ』 「はい、」

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