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第743話

イく瞬間、ケツを浮かせていたらしい。 足から力が抜けて漸くそれに気が付いた。 いつもならぽふっと包み込んでくれるふとんだが、今は快感を逃がしはしないと腰を固定するようだ。 「……ぃ…ぁ……、っ」 ローターを止めたい。 頭でイった筈だが、連続はキツい。 ……ほんとに? ぼんやりする視界にコートが入った。 「……ま、さ…ごめ……、さ」 後孔に手を伸ばし指を1本突き刺した。 細い。 それに深くまで入らずもどかしい。 だけど、気持ち良い。 『なにしてんだ』 「……お、おなに、」 『へぇ?』 「けつが…た…たりない…ぁ、だめ……ですか…」 声が上擦る。 まるで期待してるみたいだ。 『その代わりもっかいイけよ』 何度も頷くと続きを促された。 サティスティックな顔にゾクゾクする。 「ぁ……」 爪先がローターに触れた。 絶妙な振動を与えるソレの形をなぞる様に指を奥に突き入れる。 奥に入り過ぎない様に付いているコードを掴んでいるが、なんとも間抜けな格好だ。 あさましく、はしたない。 性に貪欲で淫らだ。 だが、足りない。 長岡が足りない。

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