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第750話
「先生って呼んでたの懐かしいです。
まだ卒業してから1年と少ししか経ってないんですよね」
『呼んでくれても良いぞ。
先生って呼ばれると興奮するし』
「体力どうなってるんですか…」
『若い恋人のお陰で元気なんだよな。
抜かずの3発もイけっかな…』
セックスの後にこんな冗談を言い合える関係になるなんて、先生と呼んでいた時は考える事すらなかった。
ただ綺麗な人だと見ていただけだっただろう。
皺がよったシーツを伸ばしながら楽しそうに話す長岡を見詰める。
先生と呼んでいた時より近くなれた筈なのに、今は遠い。
土日も会えず、平日も会えず、恋しい。
だけどそれは長岡も一緒だろうと思う。
その目が深く愛していると伝えてくるから、多分そうだ。
変化が解るだけ近くなれたのは素直に嬉しい。
愛情の滲んだ顔はとてもやわらかく、三条を穏やかな気持ちにしてくれる。
短くなった前髪がパラッと額にかかると、長岡はそれを邪魔そうに払った。
「先生」
『うん。
本物の先生ですよ』
「はは、本物って。
知ってますよ。
長岡先生」
『やっぱ遥登に呼ばれんの嬉しいな。
先生になれて良かった』
三条も先生と呼べて嬉しい。
普段よりきゅっと上がった口角が大好きだと長岡に伝えていた。
『な、もっかい呼んでくれるか』
「長岡先生」
『うん』
「先生、好きです」
『そこまで言ってくれんのか。
さいっこうだな。
俺も遥登の事愛してる』
ぶんぶんと揺れる尻尾を隠す事なく会話は続いた。
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