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第753話
画面の中の三条は欠伸をした。
噛み殺しても何度もその姿を見てきたので分かる。
夜も更け、テレホンセックスで興奮した身体も副交感神経が優位になってきたんだろう。
「そろそろ寝るか」
その言葉に、あからさまに寂しそうな顔をした。
耳も尻尾もぺちゃんと潰れ、もう寝るの?とばかりの顔。
でも、決してそれを口にはしない。
遠慮と言うのか、口を返さないと言うのか、基本的には長岡の言った事にはなんでも素直に従う。
長岡の方が年上だというのも1つの要因だろうが、もっと顔を見ていたいと顔に出ているのにだ。
三条は我が儘を言ってはいけないと思っている。
それが我が儘かどうかはまた別問題─長岡にとっては我が儘でも何でもない─だが、それでも1番子のせいか自分の要望を言葉にする事は少ない。
折角、対等な恋人なのにそんなの寂しい。
思った事を素直に口にして欲しい。
甘えて欲しい。
そう思う方が我が儘だろうか。
「夜更かししてっと、俺の身長抜けねぇぞ」
『はい…』
そんな悄気げて…
くっそ可愛いな
「そろそろって言っただけで、今すぐじゃねぇよ」
『っ!』
ぺちゃっていた尻尾が元気に大きく揺れる。
ほんと、犬っぽいよな
本当にこの子は飽く事がない。
こんな風に全身で好きと言われたら甘やかしたくなるのは当たり前だ。
それに、三条を甘やかすのは楽しい。
「意地悪だったか?」
首否する三条は嬉しそうに口端を上げた。
この顔をさせるのが好きなんだ。
「俺もまだ話足りねぇからもう少しだけ付き合ってくれよ」
「はいっ」
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