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第758話
飯に付き合ってくれとメッセージを送るとすぐに勿論だと返ってきた。
どうやら三条も連絡したかったらしく、それなら顔を観ながら話をしようとあっちの部屋とこっちの部屋を繋げた。
手洗いうがい着替えを済ませ、また手を洗いながら早速話を始める。
『今日の晩ご飯はなんですか?』
「んー、今日は焼そば。
目玉焼きはのせねぇけどな」
麺類の良い所は簡単に作れて簡単に食える事だと思う。
しかもカット野菜で簡単に作れるのは、なんとも便利だ。
ここ数年で専用のカット野菜が手軽にスーパーで手軽に買えるようになった。
一人分の為だけにあれこれ野菜を購入したり切ったりする手間が省けるだけでなく、ゴミも少なくて済む。
開発してくれた多くの大人と切ってくれた機械に感謝だ。
フライパンに油を垂らし火を点ける。
温まらない内にカット野菜を入れ、ゴミはゴミ箱へ。
温まっていなくても最終的に炒められていれば問題ないし、最近テレビで見聞きする低温調理だと思えばなんて事はない。
そもそも野菜は生でも食える。
腹を壊さなければ大丈夫だ。
『正宗さんの作る焼そば美味しいですよね』
「もっと美味いもん食ってるだろ。
今日の夕飯はなに食ったんだ?」
『鮭フライです』
「はぁー、うまそ。
つか、遥登の家のなら美味いよな」
『母のご飯は好きですけど、正宗さんのは特別です』
にこにこと屈託なく笑い心を満たしてくれる。
三条と同じ時間を過ごしているだけで先程の重みは消えていく。
この自分を包む不思議な気持ちは愛情なんだろうな。
春みたいにあったかい。
タルタルソースはとびきり美味しかったと嬉しそうな顔をする顔は子供らしさを残しており、まだ幼いものだ。
守りたいと思う。
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