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第787話

6月だと言うのに半ばを過ぎると暑くなってきた。 「さいこー」 「涼しいな」 炬燵とヒーターはリビングから姿を消し代わりに扇風機が首を振りはじめた。 綾登対策にバリケードをしたが、好奇心満々の弟から目を離さない事に越した事はない。 その内、熱い鍋に触ってみたい。 触ったらどうなるのか、火傷はどんな風に痛むのか知りたいなんて言い出しそうだ。 なんにでも興味を持ち親をハラハラさせそう。 目の前の特等席を独占している兄弟は心当たりが大いにあった。 当の末っ子は母親と昼寝中。 今日も大怪獣と化してご機嫌で遊んでいたので充電の役割を果たしているのだろう。 また元気満タンになって大暴れは容易に想像が出来る。 あの小さな身体のどこにそんなスタミナがあるのだろうかと思う程元気だ。 元気が何よりだと両親も兄達もその成長を喜んでいる。 「兄ちゃん、次ここ」 「ん」 汗をかいたカップの中で氷がカランと動いた。 存在を思い出したそれを飲むと手が濡れた手を行儀悪くシャツで拭う。 この気温と扇風機の風のお陰で、この位の水分はすぐに乾くので気にしない。 傍らのゲーム機を握り直し次男と対戦ゲームをして過ごす休日の昼下がり。

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