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第816話

ゲーム内で長岡と海水浴をして遊んでいると、泡を見付けた。 三条の分身が断りを入れ海に潜り、すぐに海の幸を捕獲した!とそれを掲げる。 『チンアナゴ捕まえました! 1100円ですよ』 家のローンは支払い終わったらしいが、お金はあって困る物ではない。 高いものなら良かった。 ま、全てゲーム内の話なのだが。 島で値段のバラ付きの大きい虫を捕まえるより効率よく貯金が出来るとご機嫌だ。 学校で見ていた大人びた印象はなく、等身大の姿は無邪気で子供らしくて恋人らしい。 上手く言葉にするのは難しいが“こういう”のが良いんだと強く思う。 「遥登、もっかい言ってくれるか」 『え。 1100円、ですか?』 「何がその値段なんだ」 『チンアナゴ…ですけど』 「もっかい」 声は笑ってないが、流石に解ったらしい。 『……もう、言いません。 わざとですよね』 「なにがだ?」 『俺に…ギリギリの事言わせて楽しいですか』 「すっげぇ楽しい」 今時の中学生の方が大人だと言われても構わない。 可愛い恋人の口から可愛い声で卑猥な言葉が聴きたい。 男の性だろ。 「な、最後にもっかい」 『………………ちんあなご』 「満足した」

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