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第848話

薄い腹を痙攣させ精液を吐ききると口が離れていく。 三条は、それをボーッと眺めるしか出来ない。 ちんこでイったんだ… 頭がボーッとするのは賢者タイムのせい。 「ぁ゙…」 いまだジンジンするアナルから指を抜かれだらしのない声を漏らしてしまうのも、賢者タイムのせいだ。 粗い息を整える。 それから下着で局部を隠したい。 だけど、動くのが億劫だ。 「若っけぇな」 「……それは…」 口を結ばれたソレは三条のサイズに伸びてだらりとしている。 しかも、結構な量が出てしまったようだ。 慌てて視線を逸らした。 そして、手持無沙汰に口に当てていたタオルを畳み直す。 やばい すごい恥ずかしい…… コンビニ袋にぺっとソレを放り、此方を見た長岡は目を見開いた。 どうしたんだ、と思う間もなく長岡の手が伸びてくる。 「おまっ、口噛んだだろ。 切れてんじゃねぇか」 ぐぃっと唇を拭われたが特に痛みもない。 自分の事など興味はないし口の傷はすぐに治る。 それよりも、感染が心配で顔には触れてこなかった長岡が理性を乱した事の方が興味がある。 長岡は人の事を滅多にお前と呼ばない。 相手に失礼だと気を付けているらしい。 そんな丁寧な人がお前と言った。 それに唇に触れてきた。 余程、心を揺さぶられたらしい。 「揺れたら……バレるから…」 「それについては俺が悪い。 悪かった。 でも、唇は噛むな。 俺が良いっつったろ」 「…はい」 血の掠れた指を舐めようとした長岡の肩を慌てて掴んだ。 「まっ」 「っぶね…。 いつもの癖で舐めるとこだった」 流石に元生徒とセックス紛いの事をして感染、なんて事を誰かに知られるのはリスキーだ。 それに、いくら多様性に対して柔軟な令和の時代でも同性同士の偏見の目がなくなった訳でもない。 好奇の目はとても気持ち悪い。 「勿体ねぇ………」 「勿体ない…ですか?」 「遥登の血だぞ。 舐めてぇに決まってるだろ」 やっぱり長岡は少し変わっている。 変わっていなくて安心して、嬉しかった。

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