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第849話

下着を元通りに戻してからもお互い離れがたくぽつりぽつりと言葉を交わした。 とは言え、あまり遅くなってはいけないと大人の理性が動いてしまう。 半分は職業病だ。 「あの……正宗さんの、は…」 「俺は良いから。 流石に時間もやべぇし、突っ込みたくなる」 「でも……」 リクライニングを元に戻しながらこっそりとアツい息を吐いた。 淫らな姿に当てられ若干勃ちそうだが、理性でなんとかする。 いくら発展場でも近所の三条相手にセックスは出来ない。 「じゃあ、家で抜くからおかずくれ。 な?」 三条にしては素直に頷いた。 「ありがとうな。 近くまで送るからシートベルトしてくれ」 「はい。 お手数おかけします…」 「なに言ってんだ。 今日はドライブデートだろ」 ミラーに写る三条は、においが気になるのか落ち着きがないようにも見える。 車用の消臭剤を後ろに投げながら悪戯っぽく言葉を紡ぐ。 「それと、えっちな」 「っ!」 今度は真っ赤になった。 本当に可愛い子だ。 「遥登の真似な。 えっちって言い方可愛いから言ってみた。 どうだ?」 「………かわい、です」 「ははっ、これから俺も使お」 シュッシュッと執拗な程に振り撒かれる消臭剤。 三条のにおいが消えるのは勿体無いが、まぁ良いか。

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