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第851話
『あの…本当に今、大丈夫なんですか…?』
「ん、大丈夫だ」
先程の事を気にしたメッセージが届いたので、どうせなら通話にしようと誘ったものの陰茎を擦る手は止めていない。
三条の声を聴きながら擦るとより気持ち良いからだ。
それと、バレた時の三条の反応が気になる。
『でも……その………』
「どうした」
『あ、の……もしかして、して……ますか』
「やっぱバレるか。
遥登の声聴きながらだと、すげぇ気持ち良いんだよ」
『え…、えっと……』
「もう少しでイけそうだから待ってくれると嬉しい」
「…はい」
通話口からもそわそわしている気配がする。
そりゃそうか。
電話をしたら相手がオナってたらそうなるだろう。
三条の方が正しい反応だ。
だが、その反応が良い。
羞恥心のなくなった大人には若い恋人の初々しい反応がたまらなくクる。
「はる」
『はい…』
「さっきのすげぇえろかった。
きもちかったか」
『……はい』
雨が降りしきる中、車内での口淫。
それもアナルに指を挿入されながらイっていた。
常人なら萎えそうな行為だが三条は違う。
蕩けた顔も身体も嘘は吐けない。
そんな事くらい知っているが三条の照れた声が聴きたくて聴いてしまう。
だから意地が悪いと言われるんだ。
まあ、可愛い恋人の乱れた姿が見たいからが本音なんだけどな。
「はる」
『ま、正宗さん…』
「ん、」
思わず漏れた吐息の多い声。
そして、通話口から聴こえてくるごくんっと言う音。
鈴口を親指で刺激しつつ上下させる手を早めた。
『正宗さん…』
「あー、イきそ」
車内での淫らな声と同じもので名前を呼ばれる快感を恋人は知らない。
勿体ないなと思う程の快感を。
ティッシュペーパーの擦れる音と恋人の声で紡がれる自身の名前。
三条の声で呼ばれると、自分を自分だと認識させる記号の筈なのにこの名前がとても素晴らしく思える。
『正宗さん』
「イく、な」
『イって、ください』
息を詰め、ぴゅくっとティッシュペーパーに吐精した。
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