869 / 1502

第869話

『お待たせしました…』 繋げっぱなしの画面に三条が写る。 湯上がりで色っぽい。 部屋着も寝間着もさほど変わっていないが、家の中にばかりいるのだからそんなものか。 ま、人の事を言えた義理はない。 「俺も風呂はいってきたから待ってねぇよ。 気にすんな。 それより、しっかり髪乾かしたか?」 『はい』 「風邪ひくなよ。 案外冷房で体調崩すんだからな」 『はい。 正宗さんも風邪ひかないでくださいね』 「任せとけ」 もじもじと落ち着き無さそうにしている。 やっぱり実家でテレホンセックスなんて大胆過ぎる。 「はる、本当に良いのか。 俺が言った事だけど今日は深夜じゃねぇだろ」 『…良いんです』 準備をして今更なしと言うのも三条には酷だろうが、少し気が引けるのも事実。 実家というのが大き過ぎる。 あと時間だ。 弟は大丈夫なのだろうか。 『正宗さん、俺も…勃ってますから……』 正直、週末に会えるだけで今は十分に嬉しい。 それは三条もだろう。 そんな子が勃ってるからなんて引き留めてくるなんて。 理性と僅かな良心が本能に負けそうだ。 『……俺じゃ、駄目…ですか』 完敗だ。 「駄目じゃねぇ」

ともだちにシェアしよう!