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第875話

避妊具を指に嵌め、ぺろりと先を舐めた。 ちらっと見えた赤い舌が扇情的でいやらしい。 『…あの、入れます』 「ゆっくりな。 中傷付けんな」 生々しかったらしく羞恥でいっぱいの目が此方を見たが、すぐに頷き後孔へと指を宛がった。 本当に小さな器官だ。 ここに陰茎を突っ込み快感を得られるなんて人間の身体はすごい。 ゆっくりと飲み込まれていく指と、比例して苦しそうに眉間に皺の寄る恋人。 『……ぅ、』 だけど、快感は感じてはいるようで萎えてはいない。 それだけは確認しておかなければいけない。 この距離では大切だ。 「すっげぇ入っていくな。 痛くねぇか」 必死に声を抑え頷く健気な姿に先走りが滲みはじめた。 相変わらずどうしようもない癖だ。 言い訳をするつもりはないが、色に溺れる三条はそりゃもう可愛い。 恥ずかしがりながらも1度火のついた男の性欲はとまらず貪り食う。 その淫らさと言ったらない。 普段の成績優秀品行方正な三条の肉欲。 それも、自分だけが見られるときたら男なら拒める訳がない。 「ローター欲しいか」 聴かなくたって解る。 だけど、聴いた方が三条の反応が良い。 「俺に見えるように、準備して」 『はい…』 コンドームの封を開け、中にローターを入れて、その行動の1つひとつを丁寧にしていく指がゼリーで汚れていく。 清潔な子が欲で汚れていく。 『で、…できました、』 「良く出来ました。 んじゃ、入れような」

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