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第882話

足の指を丸めて声を漏らさないように努めるが、この身体は快楽に弱い。 恋人にそう躾られたのだからそれで良いのだが。 腰をカクカクと揺らせば、同時に陰茎から体液が腹に落ちる。 シーツに落ちたらにおいが残ってしまう。 それだけはまずい。 分かっているのに腰は止まらない。 『遥登も男だよな。 そんな腰振って』 頭がぐるぐるする。 何がぐるぐるしているかなんて分からない。 前立腺を弄りたいのに自分では満足に刺激出来なくてもどかしい。 やっぱり、長岡の長い指じゃないと満足出来ないんだ。 『なに想像してんだ』 「……ん…ぁ、あ、の…」 『んー?』 「つかっ、つかれ…て……のっ」 頭の中の長岡が下から腰を突き上げてくる。 意地悪げに笑って、腰をガツガツを使ってイイトコロを抉ってくれる。 なんて気持ち良いんだろう。 腰を掴む節だった男の手にドキドキする。 もっと、突いて欲しい。 抉って欲しい。 「まさっ、さ……に………ハア…、ハ、つかれ、てるの………」 『俺にナカ突かれてんの想像してんのか。 そうか』 ぼんやりした視界には嬉しそうに、だけど雄のギラギラした目の恋人がいた。

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