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第887話
長岡はそろそろ部屋を出る為に、身支度を整えはじめた。
車で来るとはいえ部屋着では憚られるらしい。
三条はそんな小さな事気にしないでいるが、長岡は最低限の礼儀だと言う。
部屋じゃ部屋着のままなのにな
やっぱり、外に出るからか?
なんか社会人っぽい
親しき仲にも礼儀を持っている。
そういうしっかりした根の真面目な所も好きだ。
カメラは長岡の背中を写し続けている。
シャツを脱ぐのも、スエットパンツを脱ぐのも写ったままだ。
腰を露出させたままベルトを締める姿をガン見する。
なんか細くなってないか……
いや、元々細いけど腰あんなだっけ
毎週会ってた頃は、もっと逞しかった気がする。
いや、今でも逞しいのだけど、なんと言うか少し華奢な感じが加わったような。
「正宗さん、こっち見て貰っても良いですか?」
『うん?』
顔に似合わず鼠径部のえぐい男感は薄れていない。
腹筋も割れたまま。
身体が薄くなった印象はあるが、あからさまに筋肉が落ちたという感じではない。
カメラ越しだからか。
それにしても、変わらず格好良い。
「やっぱり、格好良いですね」
『これから行くんだぞ。
覚悟しとけ』
「変なっ、意味はありません…」
『半裸の恋人煽るとどうなるか、先生がしっかり教えてやるよ』
「半裸じゃなくたって、そうじゃないですか…」
『さぁな。
今から行くから心の準備しとけ』
ジクっとソコが重くなったが知らん顔をした。
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