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第893話
風呂上がりの三条は湿った髪の先から滴を落としながら先程長岡から貰った紙袋の中身を覗き込んでいた。
バイブ。
ディルド。
携帯ローション。
ニップルクリップ
貰った玩具はどれも新品だ。
新学期のお祝いのアレかとも思ったが、それにしてはバイブのサイズが小さい気がする。
いや、実際玩具は使われてはいたがこんなマジマジと見た事もそんなにはなく、正直分からないけども。
……どこに隠そう
これらもリュックの中が安全だろうか。
しかし、出掛ける際に隠すのを忘れればもれなく変態だ。
とは言え、他に良い隠し場所は見当たらない。
クローゼットは高校の教科書や参考書が大きく幅をとっている。
必要か必要ないかは今の現状じゃ判断しにくい。
紙袋に入れてくれていたのでそのまま隠せたら手っ取り早く有り難いのだがそんな都合が良い場所なんてない。
部屋をぐるりと見渡すも、最適な場所は見当たらない。
やっぱりリュックの中か。
とりあえずリュックを使用する為に机の下、椅子で隠れる奥に置いておいたローターを取ってきて、一緒にリュックの中へと詰めていく。
クローゼットは今度片付けよう
っても、必要なのしか取っておいてないつもりなんだけどな
ゔーん…
……それにしても、電池までくれるとは思わなかった
なんだか中身にしては重いなと部屋に戻ってから紙袋の中を覗いた時に、バイブ用の電池がそれもお徳用で入っていた時は失礼だがあの顔でお徳用を買うのかとなんだか興奮してしまった。
あの顔でお徳用なんて庶民的な物を買うのはなんともグッとくるものがある。
……こっちの方が変態っぽいな。
そこまで金銭を使わせてしまった件をメールをすれば、USB充電型もあるが部屋で充電しているのを家族に見られたら嫌だろと返ってき、それもそうかと納得した。
土日は綾登と一緒に涼しいリビングにいる事が多く、その間蒸風呂状態の自室は窓もドアも開けっ放しにしている。
向かいの弟の部屋も同じだが、室内が丸見えだ。
そんな部屋でアダルトグッズを充電なんて出来ない。
『それに、お徳用なら沢山使えるだろ』
ぽんっと画面に浮かんだ言葉に更に、何でか興奮したのは秘密だ。
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