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第895話

お代わりを注ぎ直し三男の隣に座ると、満足そうに嬉しそうに笑う。 隣に座るだけでこんな可愛い顔をして貰えるのだから兄とは得だ。 「麦茶美味しいな」 「んっ!」 スパウトマグを両手でしっかりと持って夢中で飲んでいた綾登は突然顔を上げて服を引っ張る。 「あ、こーこっ!」 「ん? スマホがどうした?」 動画でも観たいのだろうかとスマホを見ると恋人からメッセージが届いていた。 『そっち温度やばいみたいだな。 ちゃんと水分と塩分摂って休んどけ。 今日はしっかり休むのが遥登の仕事な』 『蛇口からお湯が出てきます。 正宗さんも、熱中症には気を付けてください。 体調が優れないなら無理矢理にでも行きますから』 『そりゃ、倒れてらんねぇな。 気を付けるよ』 ちょうど昼休みらしくレスポンスが続いた。 このまま気が付かなかったら、こうは出来なかっただろう。 「綾登。 教えてくれてありがとう」 「へへぇー」 じゃあ、ここにのっても良いでしょと膝の上に乗ってきた小さな身体を抱き締めた。 子供体温は冷房で冷され温い。 それでも、可愛い弟の重みは嬉しいものだ。

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