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第914話

『……はい』 こんな顔をするからつい意地の悪い事を言ってしまうのだ。 たかだか写真の1枚普通に送れば良いものの、この初な反応が見たくて 『正宗さん、は…おかず、必要ですか』 「ん? なんかくれんのか?」 会えない─会えても外デート─状態でのセックスと言えばテレホンセックスかオナ指示だ。 どちらもそれはそれでとても楽しいのだが、三条は実家暮らしをしているので高頻度で出来る訳でもない。 1週間の内、1度は肌を重ねていたが今はほぼ半年なし。 それでも、たまにストレス発散を兼ねてするととても気持ちが良くすっきりする。 只でさえ、豊かな感受性で色々な言葉の裏を感じとってしまう恋人にとって今の世情はお世辞にも楽なものとは言えない。 少しで良いから楽になって欲しいと願う。 『ちょっと、待っててください』 「あぁ」 すぐに戻ってきた三条の手には小さなアルバム。 『小学生の時ので良ければ』 「俺の癖どう思われてんだ…」 流石に小学生の姿で抜けるだろうか。 確かに歳は離れているが長岡はロリコンという訳ではない。 『これとか』 文化祭で見た弟にそっくりの、だけど三条だと分かる幼い子供がピースをしている写真を見て納得した。 「抜けるわ」 いや、決してロリコンではない。

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