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第933話
横になると三条はマスクから覗く目を細め嬉しそうな声で名前を呼んでくれた。
なんて落ち着くんだろう。
個人を区別する為の名前がとても素晴らしい物に思える。
この名前で良かった。
そう思わずにはいられない。
よしよしと頭を撫でられれば、まるで三条の弟になった気分になってくる。
弟達が羨ましい。
こんなに気持ちが良いのか。
独占したい。
「遥登、少しだけ抱かせてくれ」
「はい」
長岡は三条を胸に抱き寄せぽつりと話しはじめた。
「一昨日な疲れて勃ってた」
「連絡くれませんでしたよね…?」
「帰ってすぐとかだったからな。
6時過ぎだと飯の前だろ。
それでハメ撮り観ながら抜いたんだけど、すげぇ濃いのが出た。
遥登みてぇにドロドロのやつ」
「……ちゃんとしないと身体に悪いですよ」
「遥登が言うか?」
「俺は、実家ですし…」
それもそうだ。
だが、抜かないと身体に悪いのは本当だ。
古くなった精液は身体に吸収されると聞いた時は震えた。
ケツに注げば腹を下すのに吸収されるのかと。
いや、三条に対して失礼だとは思うがな。
だって自分のだぞ。
吸収するなら三条の精液が良いに決まっている。
「で、ここからが本題なんだが、また勃った」
「…………当たってます…」
「わざと当ててんだよ」
「えっち……」
「あ、これは疲れてじゃねぇぞ。
遥登に興奮して勃ってる」
細い指がするりと下半身を撫でた。
見下ろせば赤くした顔を胸に押し付けながら手が動く。
「良いって」
「俺が、したいから……」
「我慢出来なくなる」
「駄目、ですか…?」
「だぁめ」
手を離させようと掴んだが、三条は擦るのを止めない。
「遥登、抜いてくるから」
「だぁめ」
先程の台詞がそのまま返ってきて、驚いた。
更には、耳を真っ赤にした三条がヂ……ヂ……とチャックを下ろし下着の中へと手を突っ込んだ。
「はる」
「今日だけで良いですから、甘えてください…」
……こんなの、たまんねぇだろ
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