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第934話
ニチャ…
あたたかい手が逆手にそれを扱く。
気持ち良い。
自分の手よりあたたかくて、どこか遠慮した動き。
遥登だとそれらがまた一層クる。
だが、同時に感染リスクが頭を過る。
……折角してもらってんのに勿体ねぇ
「正宗さん…?」
「ブランケットで悪いけど、口元隠しとけ。
本当になんかあったらまずいから」
腹にかけて貰ったそれで口元を覆い隠せば三条は嫌がらずに頷いてくれた。
三条だって嫌と言う程、今の現状を理解している。
それこそオンライン授業のみで大学で行けていない。
そう。
本当に嫌と言う程に、大人より痛感しているだろう。
それなのに更に自分の性事情まで気に掛けてくれている。
触りたいのをぐっと耐え、三条の手に神経を集中させ気持ちの良い手コキを味わう。
親指が鈴口を刺激しつい声を漏らしてしまった。
「ん…」
「きもち、ですか」
「さいっこーに、きもちい」
吐息の多い声に三条は気を良くし、指先まで使いはじめた。
器用に扱かれ最高に気持ちが良い。
いつもこんな手付きでオナニーをしているのだとすれば羨ましい限りだ。
三条の手を汚すのも背徳感があって、までスパイスの様に“もっと”を求めてしまう。
「すごい、ガチガチです」
「そりゃ可愛い恋人に触られれば、こうなるって」
マスクで呼吸がしにくのか三条の息遣いか荒くなってきている。
いや、マスクのせいではないだろう。
目尻を染めチラチラと自分を見てくる目には淫らな色が濃く映えている。
三条も興奮しているらしい。
くっそ可愛いな
キスしてぇ
セックスしてぇ
滅茶苦茶に泣かせてぇ
「なんつー、触り方して。
そのえっろい動かし方はどこで覚えたんだ」
「……動画、」
「あとでそのサイト教えてくれ」
駄目だと思えば思う程それをしたくなってしまう。
必死に理性を働かせるが、大丈夫だろうか。
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