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第936話
正直、学習能力の高い三条の“勉強の成果”が気になる。
気になるが、素肌を舐めさせるのは抵抗がある。
いやそれより今は手を汚す精液を拭って貰うのが先決だ。
半身を起こしティッシュに手を伸ばし後数ミリに手間取っていると、恥ずかしさそうに手を見ていた三条がその手を汚すの白をぺろっと舐めた。
「舐めんなってっ」
「本当に一昨日出したんですか?
濃い…」
「精液から移ったとか洒落になんねぇから…。
ほら、ティッシュ。
先に拭け。
んで、手ぇ洗ってうがいしてこい」
なんだか三条がぽやっとしているのは長岡にあてられたから。
下半身もそうだ。
纏う空気の甘さに押し倒して貪り食いたいのを必死で押さえ込む。
ここで感情に任せて抱くのは男じゃない。
グッと、ググッと堪えなくては。
「掃除、しても良いですか…?」
「俺は良いから」
「どうしても……駄目ですか…?」
視線を合わせる為に三条も起き上がり、どうしても…?と聴いてくる。
更に絶対…?と食い下がらない。
頑固なところのある子だが、それにしても今回は引かない。
「……うがいしろ。
あと、ゴムしねぇとさせねぇからな」
吐精したモノにコンドームを被せ掃除をさせるなんて、そもそもの話が違うがやはり素肌を舐めさせるのは抵抗があるので避妊具は必須だ。
それが最低限の約束だと言えば嬉しそうに頷いた。
俺も大概甘めぇよな…
クローゼットに隠してある性具の類をしまっている箱の中からコンドームを持ってくると、三条は足元に移動した。
ヒラヒラとソレを翳し恋人の羞恥心を煽る。
「……、…」
思った通りの反応をするのは可愛いし楽しくなってくるがこんな状況になってもセックス出来ないなんて生殺しだ。
それにしても、なんだか今日の三条はえろい。
頑張ってくれているのがマジマジと伝わってくる。
『昼は淑女、夜は娼婦』なんて時代錯誤だとは思うが、やっぱりエロいのはたまらない。
そういう事に興味のある年頃なんだ。
30手前のおっさんが何言ってんだって思うだろうが、まだまだ性欲は衰えない。
若い恋人のお陰だろう。
早くウイルスには滅んで欲しい。
そして、早く撫でくりまわしたい。
「なぁ、口での付け方教えてやるよ」
「口、で…?」
「上顎、擦れてきもちーかもよ」
「…あ、ご………」
口で避妊具を装着すれば三条の好きな上顎が擦れるだろう。
想像豊かな三条が想像しないはずはない。
その証拠に目がとろんとする。
避妊具の袋で顎を撫で、それを手渡した。
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