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第939話

可愛い可愛いと頭を撫でていると三条が此方をチラチラみはじめた。 大体何を考えているかは分かる。 「イラマはしねぇぞ」 「…言って、ません…よ……」 ほんと、マゾいよな 三条は分かりやすい。 物欲しそうな目で見られれば言われなくとも分かる。 きちんと見ていれば気持ちは伝わってくる。 分からない奴の方が阿呆だろ。 とは言え、こんな状況の真っ只中なのであまり濃厚に触れ合えず、でろでろに甘やかす事が出来ない。 何事にもリスクはあるは、今回のウイルスに関してはリスクが大き過ぎる。 2人だけで完結するならまだしも家族にも迷惑をかけてしまったら一大事だと頭がブレーキをかけてしまう。 「また今度な」 「…はい」 「やっぱ、してぇんじゃねぇか」 「…っ!」 喉の奥で笑う長岡と顔を赤くしてキョドる三条。 久し振りの恋人同士の淫らな空気が嬉しい。 直接ではなくては感じられない空気感だ。 出来ない事も多々あるがそれより手の届く範囲にいる恋人の存在がこんなにも心地良い。 自分の存在だって実感出来る。 それに、さっき出したばかりなのにもう回復する位には興奮しているしな。 「えっち」 「………だって」 「俺、えっちな子は好きだけど?」 「………」 照れた三条はまた口淫をしはじめた。 欲にも素直で本当に愛おしい。 多分無意識だろうが腰まで揺らしてんだからな。 ブランケットの上から輪郭にそって手を下ろす。 今度はそれに逆らい上へと撫で、頭へと戻ってきた手に僅かに力を込めた。 「……ふ…ぁ」 「やぁらしい声」 「正宗さんがしたのに…」 「全部俺のせいだよ。 遥登がえっちなのもな」 空気の甘さに耐えられなくなった三条はゴム付き陰茎を再度口にし、それごと吸った。 素直すぎて心配になる長岡を他所に、三条は真面目だ。

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