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第955話
今日は10月の最終日。
そう、ハロウィンだ。
「ハロウィンとか興味なかったけど、綾登で遊べんのすげぇ楽しい」
「ぶぅ」
兄達は、末っ子に100円ショップで購入した着せ替えを着せては写真に収め…、を繰り返している。
大好きな兄が喜んでいるので末っ子もご機嫌なままだが、若干飽きてはきている。
可愛いポーズして、と言っても寝転んだり兄に抱き付いきはじめた。
マイペースなところは次男に似ている。
自由な性格は兄弟の下にいくほど濃くなるように思える。
まだ三男が幼児だからだろうか。
「綾登、今度は俺と一緒に写真撮ってくれるかな」
嬉しそうに笑う弟を抱き上げ一緒に写真を撮ると早速綾登に見せた。
スマホ画面の自分を指差してから、誕生日プレゼントの黒猫のぬいぐるみを指差す。
「その格好、ジジとおんなじだな。
格好良い」
「へへぇー」
お気に入りのぬいぐるみと同じ格好にご満悦。
猫の顔の付いたフードを被り、赤いリボンだけ母親が後から縫い付けてくれたのだが、それがまた可愛くて可愛くてたまらない。
あの新米魔女の様に小さな箒も用意しておけば良かった。
流石に玄関の掃除用じゃ似合わない。
いや、でも1枚位そういう写真があっても良いか。
長男にも確実に父親の血が流れている。
「ありがとう。
じゃあ、お菓子どうぞ」
ボーロの袋に南瓜のランタンのシールを貼った物を手渡すとシャカシャカ振りながら喜ぶ。
しかも、ボーロも南瓜味。
いつものたまご味と違うと分かるのか嬉しそうに両手でしっかりと握っている。
「あとー」
「うん。
どういたしまして」
すっかりおやつの頭になってしまい、写真どころではないがそれもまた可愛らしい。
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