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第956話
マグで飲み物を飲むのもずっと上手になりストローを指で掴む事もする。
麦茶を美味しそうに飲み床に座る母親の足へとのぼると、今貰ったばかりのそれを開けて欲しいと差し出した。
「こーえ」
「南瓜の味のだね。
待ってね」
蓋の出来るお菓子ケースに開けてもらいご満悦の弟は嬉しそうな顔をして母親の腹に抱き付いた。
たまご味のも好きだが甘い野菜の味も好んで食べる。
「あーと」
「どういたしまして」
小さい手が器用にそれを摘みぱくっと食べた。
噛まずとも口の中で溶けていくたまごボーロ。
それをしっかり噛んで、また食べる。
これはすっかり飽き興味が食へといってしまった。
可愛らしい写真も沢山撮れたし、また後からでも写真を撮って遊べば良いかと兄達も炬燵へと脚をいれる。
すると母の足の上にのっていた三男がちょこんと兄達の間に座り込んできた。
「どー」
「え、くれるの?」
頷きながらも顔に押し付けてくる力は弱まらない。
あー、と口を開け放り込んで貰う。
「ん!
綾登が分けてくれたの美味しい。
ありがとう」
頬をつぶされながら頷く顔に用意をして良かったと思った。
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