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第965話
にこやかに会話を楽しみながら外デートを楽しむ。
繋がれた小指の幸福感や満足感は言葉では言い表せない。
遊歩道を宛もなく歩くだけでも嬉しい三条は時々繋がれた小指をじっと見詰めてから揺らし、長岡の反応を見てはまた揺らしていた。
されるがままでいた長岡から揺らすとふにゃっと笑い恋人同士の楽しい時間を堪能中。
こんな事が出来るのも人気が少ないから。
決して栄えている大きな町ではないが、この位の方が緑も豊かで肩肘張らずにいられて楽だ。
「ほんと、良い所だよな」
「川向こうに行かないと本屋ありませんよ?」
「遥登が居りゃそれで良い」
恋人の甘い言葉に顔が赤くなる。
外灯も疎らで暗くて良かった。
「つうか、こんだけ人気ねぇと首輪して散歩出来んじゃねぇか」
「首輪…」
「してぇ?」
色っぽい流し目をしながら艶やかに微笑まれた。
首輪をして散歩。
それは自身がする事だと一瞬で頭が判断する。
そして、ぶわぁぁっと全身の体温が上がった。
思わず繋げた小指にまで力が入ってしまう。
「え、…あ………」
「遥登好きそうだろ。
露出の気があんだから気に入ると思うけどなぁ」
自分に填まる首輪から伸びるリードを手に持ち、数歩先を歩く長岡を想像するだけでアナルがきゅぅっと締まる。
スリリングだが、それが興奮する。
なに、想像してんだよ…っ
興奮するじゃねぇ…
変態じゃんか……
驚きと羞恥の中に混ざる“色”を長岡は見逃さなかった。
「んじゃ…遊ぼうか。
はーるちゃん」
何故かポケットから首輪が出てきて身体の奥がアツくなった。
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