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第970話
「前からこんなだったか?」
「こんなでした」
「確認してぇから、戻るか」
「確認…?
戻る…?」
「そ。
シートベルトしてくれ。
行くぞ」
そんな長岡の運転で先程の公園へと戻ってきた。
相変わらず駐車場に自動車は停車しておらず、虫の音だけが聞こえる。
人が居なければ長岡と一緒に外だって歩けるので良いと言えば良いのだが、だが、この公園に来ると言う事はもしかして。
消毒ジェルを手に取るとすりすりと擦り込んだ。
そして、ガコンとリクライニングを倒し後部座席へと身を乗り出してきた。
「え、まさかとは思うんですけど…」
「人が来たら止めるから外見ててくれ」
ボトムスごと足首を捕まれビクッと肩が跳ねた。
スニーカーを履いたままシートに足を上げるなんて出来ないと頭を振るがお構いなしだ。
この流れはいやらしい事をされる。
「ぅ…っ」
伸びてきた手がグイグイとボトムスの上から蟻の門渡りを押し、思わず声が漏れてしまった。
これは、まずい。
ソコを押すという事はドライでイかせようとしてるはずだ。
ドライなら賢者タイムもなく身体だけで言えば射精をするよりは楽だが違う体力の使い方をするのでどっちが良いとかは選べない。
「俺見てて良いのかよ。
ほら、外見てな」
車が揺れていたらバレてしまう。
あまり身体を動かさない様に、そして声も漏らさない様に…とは思うのだが、正直興奮してきた。
こんな所で興奮して本当に変態だ…
首輪なんてして歩いたら戻れなくなりそ…っ
自分より背丈の高い恋人の旋毛を見ながら声を堪える。
「…っ!!」
は、と先出しだ息を慌てて飲み込む。
腹がひんやりとした。
長岡が捲ってきたからだ。
以前は下半身を露出したが今度は上半身なのか。
いや、上半身は窓から見えてしまう。
バレてしまう。
それだけはまずい。
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