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第977話

部屋に帰るとまず、鞄を隅におろし下着が本当に入っているのを確認する。 あった 生パンツ……生々しくてエロいな それからササッと文章を組み上げた。 『俺の方こそ気付かずにすまなかった。 洗っとく。 部屋に来た時に持って帰っても良いし、必要ならそっちに行く時に持っていくから言ってくれ。 それと、ちょっと借りても良いか』 『お手数おかけして申し訳ないです…。 借りるってパンツですか?』 洗濯の1枚や2枚増えたところで構いやしない。 パンツ1枚だけを洗う訳でもない。 それでも、律儀な三条は丁寧に返信をくれる。 こういう所が好きだなと思う箇所の1つだ。 丁寧で相手の気持ちを考えられる。 そして、決してして感謝の気持ちを忘れない。 さらりと出来てしまう育ちの良さと人の良さはコテ付けではない。 尊敬する一点でもあり、恋人の愛おしいところだ。 『そう。 おかずに借りたい』 『服は駄目ですか。 パンツは流石に…』 『だからこそパンツが良い』 どっちが年上か分からないやり取りをしながら手洗いをするのに一旦スマホを置いた。 それから、うがいもだ。 『変な使い方は…』 『電話、大丈夫ですか』 続け様にやってくるメッセージに、どれだけ三条が慌てているか分かる。 そりゃ、パンツを借りるなんて言われたらこの反応だろう。 この反応が可愛くてしてると言えば意地が悪いと眉を下げるだろうか。 それすら可愛いんだ。 濡れた手をぴっと払い行儀悪く更に服で水気をとる。

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