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第986話

丸まった布団が崩れると中から細い腕が伸びてきた。 なんじ…… すまほ… まだアラームがなっていないので、いつもの時間より早い事は確実だがここで1時間程でも余裕があれば二度寝が出来る。 あと5分でアラームが鳴るなら、最後とばかりにベッドに埋もれて別れを惜しまなければ。 ただし、確認をしなければ時間は分からない。 それだけがネックだ。 布団から伸ばした手でポン、ポン、とベッドの上に触れるがそれはない。 もう少しだけ伸ばすと紐状の物に触れる。 枕元のコードを辿り漸くお目当てのそれを手にする事が出来た。 あ、あった そうして布団の中へと引き込むと時間を確認する。 だが、パッと点いた画面の明るさに目が開かない。 寒くて顔を出したくないが眩しすぎて時間が見えない。 仕方なしに顔を出すとひんやりした空気が顔を冷やしていく。 顔は冷たく眩しさも相まって酷い顔をしているだろう。 だが、その顔を見る人はいない。 5時40分……二度寝できる スマホを先程の辺りに置くとそそくさと布団の中に潜り込む。 2度寝の気持ち良さを存分に味合わなくては。 また恋人のにおいに顔を埋めて目を閉じた。

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