漸く１週間が終わった。 今週もそう思うのは明日が三条と会える土曜だから。 金曜に会う事もあるのたが、今日はその約束はない。 変わりに…というか最近はよくそうしているが、ビデオ通話を繋げている。 コーヒーのお代わりを持って戻ってきた足音に三条は此方を見る。 微笑むとふにゃっと笑った。 こういう今までそうしてきた風景が良いんだ。 プレゼントされたコーヒーメーカーで淹れたコーヒーを１人で飲むのは味気ないとが、明日には一緒に飲める。 そうやって１週間、また１週間と頑張れるんだ。 そうやって２人で頑張るんだ。 ソファから脚をはみ出させながらに横になると、机の上に置きっぱなしの本へと手を伸ばした。 ２章まで読んでいた新刊。 パラパラと捲ると新しい紙とインクのにおいがする。 綺麗に並べられた文字。 美しい言葉。 無慈悲な現実。 指先でなぞるように視線を滑らせ、深く沈んでいく。