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第1005話

鼻まで湯に浸かった三条は、先程の事の一人反省会を行っていた。 『我が儘かどうかは俺が決める事だ』 長岡はいつもそう言って甘やかしてくれる。 だけど、こんな時に負担になるような事は控えたい。 子供達を守ってくれる大切な大人。 矢面に立ってくれる優しい人を困らせたくない。 末っ子が遊んだクラゲの玩具がネットに入って干されているのを、ぼーっと眺める。 アヒルやイルカも一緒に捕獲されあたたかな家庭が連鎖そうされると、余計に長岡が恋しくなってきた。 これからの事を考えれば、次男や三男は自分が思うより多くの我慢や2度と返ってこない青春をウイルスに奪われる。 だからこそ、自分だけが辛いみたいな顔はしたくない。 しちゃいけない。 会えるだけで嬉しいのは事実なのに、欲に押し潰されそうだ。 駄目だ こんな時に心まで弱ったらいけない 元気出せ 入浴剤で白濁した湯に頭まで浸かり、しっかりとあたたまる。 困らせたい訳じゃねぇし、踏ん張らなきゃ 湯に溶けるような感覚に暫く漂う。

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