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第1019話
キスをしてくれるという長岡の言葉通りに三条からも頬や顎にキスをすると、長岡はとても嬉しそうな顔で頭を撫でてくれた。
この顔が見たいのが理由の半分でキスをしている気がする。
襟足の髪が項を擽って擽ったいが大きな手が気持ち良い。
それが嬉しくて少し大胆になっているのも自覚している。
子供みたいだなと恥ずかしくも思うが、長岡のこの手には敵わない。
「口は?」
「……目を、閉じてくれるなら…」
すぐに、ん、と目を閉じた恋人の顔はとても綺麗だ。
睫毛も長くて目元に影が出来ている。
鼻筋も通っていて、形の良い唇は口端が上がって
骨格もパーツ1つひとつも、配置もすべてが揃っている。
本当に綺麗な人だな
先に写真撮りたいけど…
あとで撮らせてもらお
三条も男だ。
言った手前引く事はしたくない。
「失礼します…」
ゆっくりと顔を近付けると、ちゅっとその唇にリップ音を落とした。
やわらかくてあたたかくて触れるだけで気持ちが良い。
すぐに目を開けようとしたので、さっと覆い隠した。
「遥登?」
「もっかい、です」
2回目はさっきよりも少し長く唇をくっ付ける。
唇と手を離し、漸く目を開けた長岡はその目に愛おしさを滲ませながら優しく頬笑む。
すげぇ綺麗……
「2回もしてくれれんのかよ」
「うぁ…っ」
耳縁を掻かれ、変な声が出てしまった。
かっと体温が上がっていく。
「えっちぃ声出してどうした」
「……急に耳を触るから…」
「触っただけだろ。
感じたのは遥登だ」
ニヤニヤと笑われてしまう。
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