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第1023話

ケツに力が入っていて上手く動かない足でトイレまで連れて来られたが、ドアは開けっ放しで長岡もそこか動かずじっと此方を見てくる。 トイレに来た事で便意は─詰まっているのは水だが─限界だと言うのに。 「みない……みな…っで…くだ」 泣きながら頭を降っても長岡は何も答えてくれない。 だけどその顔を見れば、答え『いいえ』な事は解る。 そういう顔をしている。 はくっと息を吸うのもギリギリだというのに。 「沢山我慢出来たな。 ほら、バイブ抜くからすっきりしろ」 「だっ、め…っ」 「1回目は見なかったろ」 「ぬけっ、ぬけちゃ……」 男性器を模したバイブのカリが縁を大きく捲りながら抜けていく。 堰を切ったように噴き出すそれがたまらなく恥ずかしくて両手で顔を隠した。 気持ち良い排泄感。 苦しい腹が元に戻っていく解放感。 強制排泄は信じられないほど気持ちが良い。 「あ……」 ショロ…っと堰を切ったそれに長岡は目を細めた。 そして、いやらしい笑みで自分を見下ろす。 ゾクッとするほど艶やかで色っぽい。 なんて、艶めかしいんだろう。 腕の隙間から見えた恋人はとても鮮やかだった。 「あーぁ、嬉しょんまでして」 言われて、はじめて自分が排泄している事に気が付いた。 便器の中へと落ちていく水と小便。 小さな空間はとても倒錯している。 というより、いつの間に排尿出来るまで萎えていたのか気が付かなかった。 長岡が言うように嬉しくて粗相をしているみたいに思えてくる。 「気持ちいか」 1番見られたくない筈の行為だというのに、長岡に見られているとなんでこんなに気持ちが良いんだろう。

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