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第1024話
ふらふらする足取りで寝室までやって来るとベッドに押し倒された。
ぼふっとスプリングが軋み、恋人の良いにおいかが濃く香る。
洗剤も香水も混ざっていない長岡のにおい。
ドキドキと胸が高鳴る。
「お待ちどおさま」
片足だけベッドに乗せ、サイドチェストへと手を伸ばす。
寝転ぶ三条の目の前には自分のとは違い逞しく広い胸。
そのまま視線をずらし、ベッドについた腕へと唇を寄せた。
「おいおい、そんなにはやくしてぇのかよ。
いいねぇ」
「だって…」
ローションボトルをぽいっとベッドに投げ更に首輪を取り出した。
生唾を飲み込む音に長岡は右口角を上げ目蓋にキスを落とす。
そんな事に一々反応していたら身体が持たないと頭では解っているのに身体がついていかない。
早く、早く、と強請っている。
「そんな目で見られたら優しく出来ねぇぞ」
「いい、です」
長岡の目だって、肉食動物みたいにギラギラしている。
恋人になら食われたって良い。
この人の血肉になれたらどんなにしあわせだろう。
「食ってください…」
「言ったな。
覚えとけよ」
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