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第1032話

今度は首筋をねっとりと舐め上げられる。 体温の低い恋人だが、首を這う舌はアツくてぎゅっと眉を寄せた。 髪が顎を擽り、長岡のにおいが濃くなる。 「…は、」 「気持ちよさそ。 んな、とろっとろの顔してっと悪い大人にどうにかされんぞ」 「正宗さんになら……されたい、です」 口から出たのは素直な気持ちだった。 だけど、その声は媚びていてあさましいとも思う。 貪欲だ。 欲に塗れたいんだ。 長岡で溺れ死にたい。 「ほんと、かわい…」 胸鎖乳突筋を伝い耳へと上がってきた唇から鼓膜に吹き掛けられるその声に鼓膜まで気持ち良くなる。 身体のどこもかしこもが性感体になったみたいだ。 ぶるっと身を奮わせ快楽に肌を赤くした。 日焼けしにくい肌はすぐに赤くなり、色の白さと共にコンプレックスだ。 だけど、長岡はそんなところも好きだと言ってくれる。 そう言われてから、幾分か好きに変わった。 「ん……ぅ、…」 耳縁まで丁寧に舐める様は、まるで愛撫だ。 恋人同士の少し激しい愛情表現やペッティングの類いではない。 その気にさせる為の行動。 何度も首や鎖骨に唇を寄せられる。 「ぞわ、ぞわ…する…っ、」 「それを感じてるって言うんだろ。 言ってみ」 「……かん、じ…て、ます」 「誰に、なにをされて?」 「…正宗さんに、やらしい事をされて……かんじてます」 「満点だな」

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