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第1039話

ゆっくりと腰を上げていく。 少しずつ、少しずつ。 上げて、下げて、上げて、下げて。 焦らしているつもりはない。 ただ、久し振りな気がして怖じけてしまうだけだ。 「いー眺め」 「……あんまり、見ないでください」 「なんで? 見てぇから、させてんだろ。 ちんこもすげぇな」 「恥ずかしくて…吐きそう……」 そんなにかよ、と笑いながら目蓋にキスされ一層甘い空気が寝室を満たす。 そんな空気がよく似合う恋人を少しでも気持ち良くさせたくて三条も頑張るのだが、気持ち良くて腰が抜けそう。 ゆっくりとはいえ、前立腺がカリにゴリゴリと刺激されていた。 「…ん、……まさ、むねさん」 「気持ちいな」 三条は何度も首肯いた。 上気した頬。 蕩けた目。 誰が見ても快感を甘受しているのは丸分かりで、長岡がその顔に煽られるのはごく自然な事。 「は…っ、…あ、…あ…」 トン、トン、と少しずつ動きを早めていき、深さも深いものへと変わっていく。 腰を上げれば縁が離さないとばかりに纏わり付き、下げれば縁が中に押し込まれる。 淫らな事は気持ち良いだけでなく、しあわせな気持ちになまでしてれていた。 だからこそ色欲に溺れる。 「あ、あ…ぁ、きも、ち……い」 「俺もきもちー」 「…ん、よか…った……」 ぎゅっと意識して締め付ける事も忘れてしまう。 ただ、腰を揺らすだけでは長岡が気持ち良くなれないのに。 「ぅ……ん…ん、」 添えられるだけの腰に触れる手に自分のものを重ね、ぐっと掴んでもらう。 「さわって、て…ください」 そっちの方がずっと気持ち良い。

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